■還暦祝いとは?
近代日本に入るまでは日本人の寿命は50年くらいであったと言われています。
人生50年と言われていた昔には、60年生きることは長生きの部類に入っていました。
60歳まで生きること自体が珍しかったのです。
そこで、十干十二支が一回りしてまた生まれた年の干支と同じになる
60歳を長寿のお祝いとして祝うようになりました。
長寿のお祝いとして祝われるようになったのは室町時代の末頃からで、
江戸時代には一般的な長寿祝い行事が定着しました。
還暦祝いは、生まれた年に戻るという意味合いから、「赤ちゃんに戻る(還る)」とかけて、
赤いもので身につけるものや身の回りのものを贈るという風習ができました。
「赤」は「魔よけの色」とも言われており、
昔赤ちゃんの産着に使われていたことも由来しています。
一般的に贈られる「赤いもの」には、
「赤い頭巾」「赤いちゃんちゃんこ」「赤い座布団」などがあります。
還暦に赤いちゃんちゃんこを着てお祝いをしていたのには、
そういう歴史的な背景があるのですね。
ところが、今では人生80年と言われるほど、日本人の寿命は延びて、日本は平均寿命も
2006年の統計によると、男性79.00歳、女性85.81歳となっています。
そこまで寿命が延びてくると今では60歳という年齢は長生きではなく、
60歳は大抵の人が迎えるものとなりました。
平均寿命が延びたことにより、今では60歳という年齢はまだまだ現役という認識が
周囲の人も本人にもあるのではないでしょうか?
それに、一般企業の定年退職の年齢も60歳ですし、今の60歳という感覚は、
長寿というよりも第2の人生のスタートという気持ちの方が強いのではないでしょうか?
そういった背景があるので、還暦祝いは、昔のように長寿のお祝いとして行われるよりも、
新たな人生のスタートという気持ちを込めて
区切りの誕生日祝いという形でお祝いする方が増えています。
60歳=老人という感覚は現代人にはないものですから、
還暦祝いも昔のように「贈られた赤いちゃんちゃんこを身に着けて」
というものではなくなってきました。
ですが、退職をされた場合は、その慰労の意味も込めて、
通常の誕生日よりも少し改まった形でお祝いをするという方が多いようですね。